「Example」と「Sample」の違い
「Example」と「Sample」
「example」という語は、主張の裏付けとなる実例に言及するために用いられます。
「sample」という語は、見本もしくは試料を示すために用います。
毎度のように英単語には、ややこしい似た単語が存在します。意味の重複する単語の使い分けが問題と思うかもしれません。しかし、驚くことに、そうした混乱は、かなり明確な意味の違いをもつ二つの単語にあっても、よく見られるのです。
たとえば、「example」と「sample」。
「example」と「sample」はかなり異なった意味を持つ2つの単語ですが、この違いに気付いていない人も意外に
多いのです。
単語が何であれ、こういった混乱を解消するいちばん簡単な方法は、言葉の意味の違いを理解することです!
そこで、今日はこんがらがった「example」と「sample」の意味を解きほぐし、例文を見ながら使い分け方を学びましょう。
「Example」はどんなとき使う?
「example」という語は、主張の裏付けとなる実例に言及するために用いられます。そのものがある属性の典型的な例であること、あるいはそのカテゴリーに属することを示すものです。ひとつの「example」は唯一ではなく類似するものは他にもあるでしょう。
She has set an example for women who want to join forces.
(彼女は力を合わせたい女性たちの手本となった。)
動詞として使用される場合、「example」は説明または例証することを意味します。
His low attendance in class examples his negligence towards studies.
(授業への出席が少ないことは、彼が勉強に怠慢であることを示している。)
「Sample」はどんなとき使う?
「sample」という語は、見本もしくはモデルを示すために用います。「sample」とは、全体像がどういったものかを説明するために使われる、特定のものの一部分またはピースです。ほとんどの場合、サンプルは物理的な実体となります。
Typhoid infection is detected by testing the patient’s blood sample.
(腸チフス菌の感染は、患者の血液サンプルを検査することで検出されます。)
「sample」は、何かの一部またはピースを集める行為を表わす動詞として使用できます。
We sample wine from each production batch.
(各生産バッチからワインをサンプリングします。)
アカデミック・ライティングでの使用
「example」は例証を意味します。「sample」とは見本のことです。一見これらは同義語のようかもしれませんが、かなりちがう概念を表わしていることを確認しました。こうした違いを知っておけば、文章内の誤りを避ける手助けとなります。アカデミック・ライティングでは、この2つの単語が多用されています。
「example」と「sample」という語がアカデミック・ライティングでどのように使われるかを見ていきましょう。
誤:Previously, Powell (1984) gave a sample of the censored least absolute deviations estimator.
(以前、Powell(1984)は打ち切られた最小絶対偏差推定量のサンプルを示しました。)
正:Previously, Powell (1984) gave an example of the censored least absolute deviations estimator.
(以前、Powell(1984)は打ち切り最小絶対偏差推定量の例を示しました。)
この文において著者はPowellが言及した概念の説明もしくは例証を示したと伝えようとしています。したがって、「example」はより良い言葉の選択です。
誤:It is not possible to fit an autologistic model when only an example of sites is surveyed.
(サイトの例のみを調査した場合、オートロジスティックモデルを当てはめることはできません。)
正:It is not possible to fit an autologistic model when only a sample of sites is surveyed.
(サイトのサンプルのみを調査する場合は、自己同化モデルを当てはめることはできません。)
この文章ではサイトについての説明をしているのではなく、分析された一部のサイトについて語っています。日本語でも科学的文脈では、物質や製品の全体像を理解するために使用される試料をサンプルと言うので、、「sample」は覚えやすいですね。
以上です!これで、執筆の際に自信を持って「example」と「sample」という語を使えますね!