「few」と「a few」の違いとは
単語の前の冠詞が文の意味をまったく変えてしまうという興味深い例のひとつが、「few」と「a few」で、不定冠詞の「a」が付くだけで、文脈がまったく違ってきます。
どちらを使っても誤りではない場面が多いですが、両者の間には明確な意味の違いがあります。
「「few」と「a few」
「few」が「ごくわずかしかない」、「取るに足らないほど少ない」という意味合いであるのに対し、
「a few」は「複数の」「幾ばくかの」といった意味合いです。
例えば、
many people at the event and even made few friends.
(イベントでは多くの人と出会い、少ないながら友達もできた。)
がたくさんいるイベントの中で、ごく少数の人と仲良くなったということです。
I met many people at the event and even made a few friends.
(イベントでは多くの人と出会い、何人かの友達もできた。)
不定冠詞が付くと、多くの友人ができたことにはなりませんが、できた友人が少ない、という意味合いがなくなります。
「few」と「a few」の違いが分かれば、学術ライティングやテクニカルライティングにおいて、両者を正しく使用することが大切なことも理解できるでしょう。
「few」と「a few」を正しく使うことで、文脈は明確になり、読み手に響く質の高い文章になります。
例えば、
Few studies have shown that lack of physical activity impacts mental health too.
(運動不足が精神衛生にも影響することを示す研究はほとんどない。)
身体活動と精神衛生の相関を示した研究は非常に少ないということになります。つまり身体活動と精神衛生との関連性を明らかにするためには、より多くの研究が必要だということです。
A few studies have shown that lack of physical activity impacts mental health too.
(運動不足が精神衛生にも影響することが複数の研究で示されている。)
この文の場合、身体活動が精神衛生に与える影響を示す研究が、多くはないにしても、複数存在することを示しています。
このように、「few」や「a few」は、ともに量や数が少ないことを表しますが、「few」の場合その少なさが強調されます。また、「quite a few」は「かなりの」「たくさんの」といった全く別の意味合いになるので注意しましょう。
例えば、
I read quite a few research papers this month.
(今月はかなりの数の研究論文を読んだ)といった使い方です。
このように、違いを理解した上で、文脈に沿って正しく「few」と「a few」を使い分けましょう。混同されがちな言葉の微妙なニュアンスを押さえた明瞭な文章は、読み手にしっかりと伝わります。