「Incident」と「Incidence」の違い
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「incident(出来事・事象)」と「incidence(発生・発生率)」は発音もスペルも似ているため、混同されやすい言葉です。学術的な文章を書く際にも、「incident」と「incidence」を間違えることがよくあり、意図せず文章の意味を変えてしまうことになります。
そこで、「incident」と「incidence」の意味を紐解き、学術的・技術的な文章での使用例を挙げて両者の違いを解説します。意味を区別して正しい単語を使えるようにしましょう。
「incident」の意味
「incident」とは、予想される、または予想されない出来事、事象、機会を意味します。ほとんどの場合、トラウマになるような状況や不愉快な状況を指す正式な表現です。
例文
- Tilly told me about the unfortunate incident; I wish I could help her.(ティリーから不幸な出来事について聞いた。彼女を助けられたらいいのだが。)
- We were equipped to protect ourselves if an incident of explosion occurred due to the chemical reaction.(私たちは、化学反応による爆発事故の発生に備えて自分たちを守るための装備をしていた。)
「incidence」の意味
「incidence」とは、ある事象が発生する頻度や時間間隔のことで、言い換えれば、ある事象が発生する割合のことです。
例文
- The agency has reported a high incidence of car accidents in my neighborhood.(代理店から、私の近所で交通事故の発生率が高いという報告があった。)
- Our study shows that the incidence of insomnia after taking naturopathic medicine is very low.(我々の研究では、自然療法薬を服用後の不眠症の発生率は非常に低いことが分かっている。)
「incident」と「incidence」の違いをお分かりいただけたでしょうか。
今後も、自信を持って英文を書いていただけるよう、混同しがちな単語の違いを解説していきます。